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一景

一景は、江戸から明治へと移り変わる瞬間の、滑稽でいてどこか切ない時代の変わり目を最も鋭く、そしてユーモラスに切り取った絵師です。

一景の作品を語る上で欠かせないのが、文明開化に沸く東京の街並みを風刺的に描いた作品群です。一景が目を向けたのは、急ごしらえの西洋化に戸惑い、右往左往する庶民の姿でした。蒸気機関車や洋風建築といった新しい景色の中に、転んだり驚いたりする人々をコミカルに描き込み、新しい時代への好奇心と違和感の両方を表現しました。

一景は近代という巨大な波に飲み込まれまいとする日本人の姿を、笑いと共に描き続けました。
一景