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吟光

吟光は明治時代(1870年代から1900年代初頭)に活躍した絵師です。幕末から明治へと移り変わる社会の「今」を鋭敏に描き出しました。
吟光の最大の功績は、浮世絵が報道メディアとしての役割を果たしていた時代において、圧倒的な速報性と描写力で報道錦絵の頂点を極めたことです。特に、明治維新後の政治的混乱や西南戦争、そして日清戦争といった歴史的事件を、まるで写真のような臨場感で描き出しました。
また、彼の活動は報道にとどまらず、明治の新しい風俗を描いた「開化絵」や口絵、さらには歴史画など多岐にわたります。彼の描く人物は、伝統的な浮世絵の様式美を保ちつつも、どこか理知的で写実的な表情をしており、江戸から近代へと脱皮しようとする当時の日本人の姿を克明に記録しました。
吟光