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橋口 五葉

橋口 五葉は、大正期に活躍した日本の版画家で、美人画を中心とした作品で知られています。東京美術学校で日本画を学んだ後、木版画に転向し、写実的かつ繊細な人物表現を追求しました。
五葉はモデルを雇い、裸婦素描を繰り返し描いていて、その総数は3000点にのぼるといわれています。五葉はそれを版画へおこすべくただ一本の墨線へ纏め上げていったそうです。五葉の美人画の特徴は、落ち着いた品格と柔らかな表情にあります。着物姿の女性を主題とし、仕草や姿勢、表情のわずかな変化から内面の気品や静けさを表現しました。線描は鋭くも滑らかで、木版ならではの精緻さと美しさが際立っています。色彩は抑制されており、華美さよりも端正で静かな美を重んじる画面構成が特徴です。
橋口五葉の美人画は、静謐で端正な女性表現を通して、日本の近代版画における独自の美意識を示しています。その落ち着いた品格と繊細さは、今日でも高く評価されています。
橋口 五葉