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耕漁

耕漁は月耕の門下であり、明治から大正期にかけて「能楽」を描く絵師として孤高の存在感を放ちました。
耕漁の作品における最大の特徴は、徹底して「能」や「狂言」といった伝統芸能の様式美を、近代的な写実眼で捉え直した点にあります。耕漁は能舞台という様式化された空間の中に流れる、張り詰めたような静寂と精神性を描き出しました。

彼の筆致は、師である月耕譲りの軽妙さと、能楽研究に基づいた正確な時代考証が絶妙に融合しています。耕漁は時代に左右されない「幽玄の美」を追求しました。
耕漁